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青色申告 その2 65万円控除のメリットの大きさ

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2017年1月13日

こんにちは、加藤丈博です。

 

今日は「65万円控除のメリットの大きさ」について
書いていきます。
青色申告特別控除とは、

①不動産所得または事業所得がある
②正規の簿記の原則に従った帳簿を作成している
③②に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付している
④確定申告書を法定申告期限内に提出している

ことを要件に、

・事業的規模(※)ではない不動産所得のみがある人
→最大10万円
※事業的規模とは不動産を5棟または10室以上賃貸していることをいいます。

・事業所得、事業的規模の不動産所得、事業所得と不動産所得の両方の何れかがある人
→最大65万円

を、各所得の計算上差し引くことが出来るというものです。

 

“最大”とあるのは、
青色申告特別控除前の所得が65万円に満たない場合はその金額が上限になる
=所得をマイナスにはできない
との意味です。

ですが、投資不動産の初年度などを除けば、大概の場合は

所得>青色申告特別控除額

になるので、以下では青色申告特別控除=65万円として話を進めます。

 

①青色申告特別控除が影響する税金等

青色申告特別控除によって不動産所得や事業所得が減額されます。
それにより、所得によって税額等が決まる税金等を節約することができる(以下、「節税」といいます)のです。

所得によって税額等が決まる税金等には、

・所得税
・住民税
・国民健康保険
・個人事業税

があります。
このうち個人事業税だけは、青色申告特別控除前の所得を基準に税額が決まるので、
残り3つ

・所得税
・住民税
・国民健康保険

これらに青色申告特別控除が関わってくることになります。

 

②青色申告特別控除による節税額

事業所得が500万円あり、基礎控除などの所得控除が100万円ある人を例にとります。
1.所得税

所得税率は累進課税制度により7段階に区分されています。

合計所得金額から所得控除を差し引いた課税所得金額に応じて
以下のように定められています。

~195万円 5%
195万円~330万円 10%
330万円~695万円 20%
695万円~900万円 23%
900万円~1800万円 33%
1800万円~4000万円 40%
4000万円~ 45%

(この他に復興特別所得税として所得税額×2.1%が課税されます)

青色申告特別控除がある場合もない場合も、適用される所得税率は20%です。

500万円-100万円=400万円

(500万円-65万円)-100万円=335万円

すると、節税額は
65万円×20%×102.1%=約13万3千円
となります。

 

2.住民税

住民税率は基本的に都道府県民税率4%と市区町村民税6%の一律計10%です。
(一部自治体では若干の上下があります)

すると、節税額は
65万円×10%=約6万5千円
となります。

 

3.国民健康保険

国民健康保険の金額は、

・所得割(所得に料率を掛け合わせて計算する)
・均等割(世帯人数に応じて定額で課される)
・平等割(1世帯毎に定額で課される)

の3つによって成り立っています。
このうち青色申告特別控除が関係するのは

・所得割

のみですが、この料率は市区町村によってだいぶ異なります。
平成26年度と少し古いデータではありますが、

高い市の代表格である
広島県広島市は約15.6%(介護保険を合わせると約19.5%)
兵庫県神戸市は約14.4%(同 17.9%)
北海道函館市は約13.8%(同 17.2%)

安い市の代表格である
静岡県富士市は約6.6%(同 7.9%)
愛知県豊田市は約6.6%(同 8.2%)
神奈川県相模原市は約7.0%(同 8.3%)

とかなりの開きがあります。
ちなみに
東京23区は約8.5%(介護保険を合わせると9.3%~10.37%)
おおよそ真ん中に位置するようです。
東京23区の場合ですと、節税額は
65万円×8.5%=約5万5千円
となります。
1.所得税 約13万3千円
2.住民税 約6万5千円
3.国民健康保険 約5万5千円

3つを足すと約25万3千円、これが青色申告特別控除による節税額の合計です。

 

参考までに弊社の場合、
記帳代行から確定申告まですべてご依頼いただき、
さらに定期的なご訪問や各種相談を含めても
年間25万円かからない事例が大半です。

「確定申告も自分でやってみよう、最初は青色申告が難しいから白色で」

こうお考えの方、いますぐご相談ください。
ものすごく勿体ないことをしているかもしれませんよ。

 

 

本日もここまで読んでいただきありがとうございます。
青色申告について、2回に分けて書かせていただきました。

青色申告しないのは本当に勿体ないこと、
ご自身で白色申告することに比べれば税理士に丸投げしてしまった方がむしろ金額的にも得なケースすらあること、
ご理解いただけますと幸いです。

 
最後に、
うっかりしがちなことですが、
青色申告特別控除を受けるための要件には

④確定申告書を法定申告期限内に提出している

があります。
「自分で青色申告してみよう」
と思ったはいいけれど、意外と大変と感じている方、
3月15日を過ぎてしまっては何の意味もありません。
また3月15日間際では、私共も動ける限界があります。
ご相談はお早めに!
よろしくお願いいたします。

 
明日からは再度所得の説明に戻ります。
次回もよろしくお願いします。

 

 

 
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