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平成30年税制改正大綱 ~たばこ税~

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2017年12月14日

こんにちは、加藤丈博です。

先週からナイトワークブログの更新を再開しましたが、

こちらも更新をしていこうと思います。

 

平成30年度 税制改正大綱

今年も出てきましたね。

https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf

 

こちらもまずは書きやすいところから。

 

たばこ税です。

吸ってる人には気が気ではない話題ですよね。

間違いなく価格に転嫁されてきますからね……

 

「1箱いくらまでなら禁煙しないか」

500円とか1,000円とか、そんな話題もありますが、

じわじわ値上げするあたり、搾り取ってやろうって魂胆が見えますよね……

 

 

今回の改正案でもじわじわと値上げするつもりのようです。

なお現在のたばこ税、

1,000本あたり11,424円、1箱(20本)あたり228円

となっています。

 

これを、

①平成30年10月1日以降

1,000本あたり12,424円、1箱あたり248円

 

②平成32年10月1日以降

1,000本あたり13,424円、1箱あたり268円

 

③平成33年10月1日以降

1,000本あたり14,424円、1箱あたり288円

 

このように増税していく予定のようです。

※わかばやechoなどは別、ただし増税される見込み

※IQOSなどの加熱式たばこも別、ただしやはり増税される見込み

 

 

たばこ税は増税されることになるとして、実際にいくらくらいになるのでしょうか。

現在420円で売られているLARKやPHILIP MORRISで金額を当てはめてみます。

 

現状:

420円÷1.08=388円(たばこそのものの価格+たばこ税)

388円-228円(たばこ税)=160円(たばこそのものの価格)

 

平成33年10月以降:

160円+288円(たばこ税)=448円(たばこそのものの価格+たばこ税)

448円×1.10(消費税率10%と想定)≒492円

 

 

↑この計算では不十分ですね。

 

 

たばこ税が増税され、たばこが値上がりする

→たばこの売上数が減る

→たばこそのものの価格据え置きでは販売者の利益が下がる

→それは困るのでたばこそのものの価格も値上げする

⇒たばこ1箱の値段は500円超えてくる……

 

現在420円の銘柄ですら500円超え濃厚なのであれば、

460円や490円の銘柄はどうなってしまうんでしょうかね……

 

 

 

さて、

上記の計算式を見て

「おやっ?たばこ税に消費税がかかるの?」

と思った方、鋭いですね。

 

「ひとつの出来事に対して、2重に税金を課す」

いわゆる「二重課税」は原則として排除することとされています。

しかしながら、

二重課税にならないようにする

=たばこそのものの価格にのみ消費税を課税する

ようにしようとすると、

「小売店の全てがたばこ税について理解しなければならなくなる」

のですよね。

 

小売店にそこまでの負担は課してられない!

 

という判断があったのでしょう。

理屈上は二重課税でありながら、

実務上の便宜(複雑な計算をしなくてよくなる)のためにあえて二重課税させているのだそうです。

 

たばこ税以外には酒税もこの方法をとっています。

 

なお、

もっとも、二重課税がなくなったときにはたばこ税や酒税そのものがその分増税されるだけでしょうから騒ぐのも無意味だと思いますよ……

 

 

今日はこのあたりで。

次回以降も引き続き税制改正大綱について書いていこうと思います。

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