あれも経費、これも経費？　～ナイトワーカーの方とお話しをして～　後編

2017年2月24日

こんにちは、加藤丈博です。

前回のブログの続きになります。

簡単におさらいすると、こんな感じです。

・確定申告を依頼されたが領収書がまったくと言っていいほどなかった

・それでもなんとかして所得を計算しないといけない

・そこでこうしてみました

①　収入の総額を集計する

②　生活費や貯金に回した金額を集計する

③　①と②の差額が経費の総額と推定する

④　②で生活費にカウントしていた金額のうち、経費にすべきものを抽出して③に加える

このうち

④　②で生活費にカウントしていた金額のうち、経費にすべきものを抽出して③に加える

についてが今日のテーマです。

そもそも「経費」ってなんなんでしょう。

ウィキペディアでもすごくあいまいな書かれ方しかしていません。

なので、敢えてここで定義してしまいます。

「その仕事に必要なら経費、必要ないなら経費じゃない」

これでも「必要」の範囲が問題になりますよね。

さらに言い換えます。

「その仕事をしなければ生じなかった支出は経費、どのみち生じていたなら経費じゃない」

これならどうでしょう。

ではこれを24歳キャバクラ嬢さんのケースに当て嵌めてみます。

・職場への通勤費

お店で働いているから通勤費がかかるわけですから、当然経費です。

深夜やお酒が入っている場合など、タクシーを利用することもあったようですが、

これも「仕事の都合上、仕方なく」タクシーに乗っているのでこれも経費でいいでしょう。

・出勤前後の食事代

これは基本的には経費になりません。

仕事をしていなくても食事は摂るというのがその理由です。

・仕事上の打合せなどのときの食事代

一方で、「仕事上の打合せ」などで食事をしたのであれば、

それは経費になります。

主目的が「自分が食事をするため」ではなく「打合せの場を設けるため」にあるからです。

究極、路上で立ち話でも打合せはできますが、税務署もそこまで非情ではありませんし、無茶も言いません。

かといって際限なく経費になるかと言われると、グレーです。

そんなに打合せがあるなら毎回食事にはしないで多少安く済ませたりはするんじゃないですか？

とこういう指摘を受けかねません。

・仕事にも使っている携帯電話代

このご時世、携帯電話はほぼ皆が持っています。

2台持ちしている人の場合はシンプルです。

仕事用の携帯→経費

プライベート用の携帯→経費にならない

でも仕事プライベート兼用で1台で済ませている人も多いでしょう。

仕事で使うことがあるわけですから当然経費にはなります。

しかし100%経費になるかというとそうではありません。

専門的には「家事関連費」と言いますが、

仕事プライベート兼用の経費については何割を仕事に使っているのか、

その割合に応じて経費計上してくださいとのルールがあります。

例えば携帯電話代10,000円に対し、携帯電話を使用するうち7割は仕事に関することだとすれば、

10,000円×70%＝7,000円が経費といった具合です。

・自宅の家賃

これも基本的には経費にはなりません。

しかし、主に仕事のときに着る服があり、その服がかさばるために

大きめのクローゼットのある部屋を借りていたり、

一部屋を衣裳部屋として使っていたりする場合であれば

携帯電話のときと同様、その割合で家賃の一部を経費に計上できます。

「その仕事に必要なら経費、必要ないなら経費じゃない」

「その仕事をしなければ生じなかった支出は経費、どのみち生じていたなら経費じゃない」

この感覚、ご理解いただけましたでしょうか。

このキャバクラ嬢の方、今年からは領収書をもれなく取り置いていただけているようです。

ただしもれなく取り置きすぎていて、これは経費じゃないのでは……といったものもちらほら。

経費ではなさそうなものについて、こちらで勝手に判断するわけではなく、必ず確認させて頂きます。

最初は判断も難しいですし、

無理に区別しようとして経費になるものを経費にならないと早合点してしまうよりかは

いったん全部取り置いていただいた方が安全です。

ですがゆくゆくは、経費かそうでないかをご自身で区別して頂けるとありがたいですね。

本日もここまで読んでいただきありがとうございました。

確定申告も終盤に差し掛かってまいりました。

3月15日が確定申告の期限なのですが、ほんとに直前ですと

ご依頼いただいても期限に間に合わないケースもあり得ます。

・確定申告しようか迷っている

・確定申告しようと思っているけど領収書がほとんどない

・確定申告しようと思っているけど何から始めればいいかわからない

まずはご相談ください。お待ちしております。

 
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