所得の種類 その2 不動産所得、事業所得
こんにちは、加藤丈博です。
本日は前回に引き続き、不動産所得と事業所得について書いていこうと思います。
3.不動産所得
①不動産所得とは
不動産所得とは、土地や建物などの不動産、借地権など
不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付けによる所得
(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。
②不動産所得の計算方法
不動産所得の金額は、
「総収入金額-必要経費=不動産所得の金額」
と計算します。
(1)総収入金額
総収入金額には、貸付による賃貸料収入のほかに、
次のようなものも含まれます。
イ 名義書換料、承諾料、更新料又は頭金などの名目で受領するもの
ロ 敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
ハ 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など
(2)必要経費
国税庁のHPには、以下のような記述があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
必要経費とすることができるものは、
不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区分できるものであり、
主なものとして貸付資産に係る次に掲げるものがあります。
イ 固定資産税
ロ 損害保険料
ハ 減価償却費
ニ 修繕費
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
経費になる項目は少ないように書かれていますが、
イロハニはあくまで例示ですので、
これ以外にも経費になる項目はあります。
例えば
・不動産を購入した際のローンの金利
・不動産屋に支払った仲介手数料
などなど。
これは経費になるの?といったことに関してはお気軽にご相談ください。
③不動産所得と青色申告
青色申告をしている場合、
事業所得があるor不動産所得が事業的規模の場合は65万円、
それ以外の場合は10万円を、
②で計算した不動産所得より差し引くことが出来ます。
④不動産所得が赤字だった場合
不動産所得が赤字だった場合、
他の所得(給与所得や事業所得等)と通算(相殺)することができます。
ただし、必要経費に算入した金額のうち、土地を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は、通算をすることができません。
不動産投資においては、借入時の金利は住宅ローンよりは高い場合が多く、
また初年度は仲介手数料などが大きいため赤字になることがあります。
そういった際、思ったより通算できる金額が少なくなる場合もあるので
不動産投資を考える際にはお気を付けください。
4.事業所得
①事業所得とは
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。
いわゆる「個人事業主」というやつですね。
②事業所得の計算方法
事業所得の金額は、
「総収入金額-必要経費=事業所得の金額」
と計算します。
不動産所得の計算と同じですね。
(1)総収入金額
総収入金額には、それぞれの事業から生ずる売上金額のほかに、次のようなものも含まれます。
イ 金銭以外の物や権利その他の経済的利益の価額
ロ 商品を自家用に消費したり贈与した場合のその商品の価額
ハ 商品などの棚卸資産について損失を受けたことにより支払を受ける保険金や損害賠償金等
ニ 空箱や作業くずなどの売却代金
ホ 仕入割引やリベート収入
(2)必要経費
必要経費とは、収入を得るために直接必要な売上原価や販売費、管理費その他費用のことをいい、例えば、次に掲げるようなものがあります。
イ 売上原価
ロ 給与、賃金
ハ 地代、家賃
ニ 減価償却費
→もちろんこれ以外にも経費になる項目は多岐にわたります。
なお、家事上の経費は必要経費になりませんが、
家事上の経費に関連する経費のうち、事業所得を生ずべき業務の遂行上必要である部分を明らかに区分することができる場合の
その部分に相当する経費の金額は必要経費となります。
→例えば以下のようなもののことです。
・自宅兼事務所の事務所部分の家賃・光熱費
・携帯電話の料金
・自動車の減価償却費、ガソリン代
(3)必要経費の例外
必要経費の例示の ロ 給与、賃金 について、
事業主が同一生計の親族に支払う給料などは、原則として必要経費に算入できません。
しかし、事業主の事業に専従しているような場合には、
一定の届け出をすることで、その給料などを必要経費に算入することができます。
③事業所得と青色申告
青色申告をしている場合、
最大65万円(不動産所得がある場合は不動産所得と合わせて65万円)を
②で計算した事業所得より差し引くことが出来ます。
青色申告については次回のブログで細かく取り上げますので、
詳細はそちらをご覧ください。
④事業所得が赤字だった場合
事業所得が赤字だった場合も不動産所得と同様に、
他の所得と通算することができます。
しかし事業所得が赤字になるケースというのはめったにありません。
事業所得が主たる収入源である場合、どうやって生計を立てているのか?ということになるからです。
他に給与などの収入源がある場合には、
事業所得=事業的規模であることを否認され、雑所得と認定される可能性もあります。
そのため「事業所得」が赤字というケースは少ないのです。
本日もここまで読んでいただきありがとうございます。
今日は不動産所得と事業所得について書いてみました。
その中で「青色申告」という言葉が出てきましたね。
明日は少し脱線して、「青色申告」について書いていこうと思います。
青色申告にはいくつかの小さなメリットと、1つの絶大なメリットがあり、
半面小さなデメリットがあります。
出来る限り青色申告をしていった方がいいのです。
詳しくは明日のブログをお待ちください。
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