所得の種類 その6 一時所得
こんにちは、加藤丈博です。
本日のブログは一時所得について書いていきます。
9.一時所得
①一時所得とは
一時所得とは、“営利を目的とする継続的行為から生じた所得”以外のものであって、
労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
一時所得には次のようなものがあります。
・検証や福引の賞金、商品
・競馬や競輪の払戻金
・生命保険の一時金
・損害保険の満期返戻金等
・法人から贈与された金品
②一時所得の計算方法
一時所得の金額は
総収入金額-収入を得るために支出した金額(※)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
と計算します。
※その収入を生じた行為をするため、または、その収入が生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限ります。
→
「収入を得るために支出した金額」という表現は、
不動産所得や事業所得では使われなかったものです。
ちなみに不動産所得や事業所得で差し引くのは「必要経費」、
「収入を得るために支出した金額」の方が「必要経費」よりも範囲が狭い
という点に特徴があります。
例えば
・競馬や競輪の払戻金
であれば、
「その収入が生じた原因の発生に伴い直接要した金額」は、
的中馬券(車券)の購入費だけとなります。
20通りの組み合わせの馬券を100円ずつ買い、
うち1通りが当たり20倍の払い戻しがあった場合を考えます。
2000円の馬券を買って2000円の払い戻しですから儲けはゼロです。
しかし一時所得を計算する場合には、
総収入金額→2000円
収入を得るために支出した金額→100円
となってしまうのです。
1円も儲かっていないのに税金だけかかる場合もあるということです。
②-余談 馬券裁判について
平成25年、当時会社員の男性が、3年間で約28億7000万円分の馬券を購入し、約30億1000万円の払戻金を得た件について、
「ハズレ馬券が経費になるか」争われた裁判がありました。
割と最近のことなのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
この裁判の判決は「ハズレ馬券も経費として認める」とのものでした。
しかし、ハズレ馬券の購入費用は一時所得の「収入を得るために支出した金額」に含まれません。
ではどうやってこのような判決になったのかというと、
「この男性の馬券による所得は一時所得ではなく雑所得である」
という主張が認められたからです。
そして、雑所得と認められたのは、この男性の馬券の買い方が
“営利を目的とする継続的行為”であると認められたためです。
後述しますが、雑所得の計算方法は
総収入金額-“必要経費”=雑所得の金額
で計算されます。
“必要経費”には、収入を得るための直接的な経費のほかに、
間接的な経費も含まれます。
間接的な経費として、ハズレ馬券の購入費用が認めらたため、
「ハズレ馬券も経費になる」となったわけです。
③税額の計算方法
一時所得は、給与所得や事業所得などの他の所得と合計して税額を求めますが、
他の所得と合計する際に②で計算した一時所得を1/2します。
ただし、以下の一時所得については源泉分離課税が適用されるため、
源泉徴収で課税関係は完結し、確定申告を行うことはできません。
・懸賞金付預貯金等の懸賞金等
・一時払養老保険、一時払損害保険等の差益等
本日もここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の雑所得で所得の種類について完結します。
次回の更新もよろしくお願いします。
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