2017年1月8日
こんにちは、加藤丈博です。
昨日は「扶養家族」について、
103万円のラインについて書きました。
本日は後編、
130万円のラインについて書いて参ります。
よろしくお付き合いください。
2.130万円のライン
130万円のラインは、税金ではなく社会保険と関係のあるラインになります。
社会保険は健康保険と年金から成り立っていますが、
それぞれに“扶養家族”の考え方があり、
税法上の“扶養家族”とは異なる部分があります。
・法律上の親族の他、事実婚のような形態でもよい
・被保険者と同一世帯、同一生計である
・恒常的な見込み年収が130万円未満であり、かつ扶養者の収入の2分の1未満である
・被扶養者が社会保険に加入していない
こういった方であれば、社会保険上の“扶養家族”になります。
扶養家族がいたからといって、社会保険料が高くなることはありませんが、
扶養家族だった人が扶養家族ではなくなってしまった場合には、
自身で社会保険(又は国民健康保険と国民年金)に加入しなければならなくなります。
学生のバイトであれば、もともと国民年金を払っていた(※)のであれば
実質的な負担増は健康保険部分だけなのでそこまで負担が増えるわけではありません。
※年収118万円以上の学生は、学生納付特例制度が使えなくなります。
しかし配偶者の場合は、「第3号被保険者」でなくなることにより、
年金の負担が大きく増えることになります。
突然出てきた「第3号被保険者」という言葉について解説します。
公的年金の加入者は3種類に分類されます。
・第1号被保険者
→自営業者(個人事業主)、学生、無職の方など、国民年金に加入している人
・第2号被保険者
→サラリーマン、公務員など、厚生年金・共済年金に加入している人
・第3号被保険者
→第2号被保険者に扶養されている配偶者
第1号被保険者と第2号被保険者は、年金を納める必要がありますが、
第3号被保険者は年金を納めていなくとも、将来年金を受け取ることができるという
かなりお得な制度になっています。
一方で、130万円のラインを超えてしまった場合は自身が第1号ないし第2号被保険者となり、
それによる負担増は年間で約20万円になります。
うっかり130万円のラインを超えてしまったがために、
かえって手元に残る金額が減ってしまった
ということのないようにお気を付けください。
最後に、今回の130万円のラインは、
扶養者が社会保険に加入している場合の話になります。
扶養者が個人事業主で国民健康保険+国民年金に加入している場合は
130万円のラインは関係ありません。
(国民健康保険は“世帯”単位での加入であり、また国民年金にはもともと加入しているため)
このケースの方は103万円のラインのみ、お気を付け頂ければまず大事にはなりません。
本日もここまで読んでいただきありがとうございます。
2回に分けて扶養家族の103万円のライン、130万円のラインについて書いてみました。
近く税制改正によって、配偶者控除については見直しが行われる予定です。
103万円のラインが150万円に引き上げ、より配偶者が働きやすくなるようにする狙いがあるようです。
しかし130万円のラインについては同時に引き上げがされるのか、
今の時点では特に引き上げは予定されていないようです。
150万円のラインばかりが強調されることで、130万円のラインを見過ごす人が現れないか
今から不安になりますが……
次回のブログでは103万円のラインについて、もう少し補足というか余談というか、
お届けしようと思います。
それではまた明日、よろしくお願いいたします。
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